人生すべて自分が源 ~倫理で学んだ心の在り方~

第656回 平塚市倫理法人会
経営者モーニングセミナー
テーマ:『 人生すべて自分が源 』
    ~倫理で学んだ心の在り方~
講話者:渋谷区倫理法人会 会長
    スリーエス・コンサルティング(株) 代表取締役
    阿部 晋悟 氏

 今回の渋谷区倫理法人会の阿部会長の講話は、今年二月に参加した倫理研究所の富士高原研修所(通称富士研)での、経営者セミナーでのご縁から実現した。同じ班で2泊3日を過ごさせていただいた。阿部会長は班の中でも一番の年長者でしたが、温厚で気さくに接してくれ、滝行にも参加される熱心な方という印象。

 コンサルティングや企業研修のお仕事をされており、冒頭は研修でつかう、DiSC®︎という、パーソナリティのタイプ診断を紹介してくれた。自分のタイプを知り、違うタイプの存在を認めることで、人間関係や営業も円滑にいくという、倫理にも繋がる内容。

 和やかに講話がスタート、その後ご自身のプロフィールの紹介になると、ちょっと私の阿部会長へのイメージと違う面が現れる。従業員数百人の染色の経営者の御曹司として、私立の一貫校に通った学童期から、中学三年の時には札付きのヤンチャな青春を送ったという。

 しかし同時にサッカーでも東京都ベストイレブンにも選ばれるほどの活躍。これが最初の転機。前述の理由で一貫校での進学の道が閉ざされると、後述の活躍で早稲田実業に進学することになる。阿部会長は当会会員企業、湘南ベルマーレ 水谷社長の、学生時代の先輩にあたる。早稲田の体育会サッカー部は、錚々たるメンバーが名を連ねるが、この転機がなければ、早稲田のサッカー部での活躍もなかっただろう。

 自由に、そして奔放に、ご本人曰く過剰な自信の中で成長していった阿部青年は、30歳で父親が経営する会社に入り、経営者としての意識が芽生えると、その責任の重さにこれまでの自信が打ち砕かれる。従業員350人、そしてその家族を深めると何倍もの人の人生を預かる。ここから経営者としての学びが始まった。

 紹介された書は中村天風の「成功の実現」。この書との出会いは叔父からの勧めだとのことでしたが、なんと阿部会長の奥様の父親が、元読売巨人軍の広岡達郎氏だという。広岡達郎氏は中村天風の門下生としても有名で、そんな繋がりから、この書との出会ったという。軽くどよめく会場をよそに、何度も読み返したというこの書の内容の中で、全ては自分の心で決まるという、当時の気づきを語ると、スクリーンに大きな木の絵を映し出す。

 自分の求める理想は、この木のように雨風から人々を守り、必要とあれば身を与えられる、そんな姿だと。

 そんな学びの中に、実は倫理法人会との出会いがあった。今から30年前の1991年に、東京都中央区倫理法人会に入会。富士研にも参加されている。当時の富士研は今よりも遥かに厳しく、私の知っている厳しさとは、ワンランク違う感じだったようだ。そのインパクトは強く、栃木に出向になり倫理法人会を離れても、実践は続けていたという。

 しかしその後、時代は狂乱のバブルから、バブル崩壊へと向かう。バブル期に設備投資をした会社は、その後大きな売り上げとそれ以上の借金とで、苦難の経営を強いられる。さらに繊維業界も時代とともに変化、融資先の銀行からの圧力もあり、大規模なリストラを経験されている。

 私の大学卒業が1993年。その時から就職難、大手証券会社の破綻や大規模なリストラなど、私も社会人として肌で感じていたバブル崩壊を、阿部会長は経営者として渦中で体験されている。

 従業員とその家族の人生を背負う。とてもこの場では語りつくせない苦悩があったはずだが、その時のできる限りを尽くすしかない。経営者の責任としてのリストラ、しかし社員の受け取り方は様々だと思う。リストラにも退職金の支払いなど、問題は立ちはだかる。会社を続けるという父親の想いと、資産の売却により退職金を支払い整理を進めたい、社長の考えがぶつかる。20年間の苦闘の末、リーマンショックによる難局が追い討ちをかけるころ、ついに会社を整理することになる。

 そんな苦しい経験の中、自分を強く保ってくれたものは、これまでの学びの中にあった。
その大切なことを、我々にシェアしてくれた。倫理法人会で学んでいたこと、家族、友人、そして前述の中村天風の書。

 会社は整理したが、自分の価値は何も変わらない。経営者は苦難に直面すると、自分以外の人にも影響を与える、責任を負うことも多い。このコロナ禍で経営に苦しむ人は、テレビの報道よりもはるかに多いと思う。そんな時は自分の価値すら、否定したくなる。一番苦しい時は、週末一歩も外に出られなかったという。そんな時でも、自分の存在価値は変わらない。

 義理の父である広岡達郎氏にも承認の言葉をかけられたことが、救いになった。この経験があり、新しい一歩を踏み出すときに、また倫理法人会との出会いが訪れる。

 2018年 入会と同時に大きなイベントの実行委員長を任される。途方もない集客目標に攻め心が出たというが、前会長の病み上がりでの活動的な姿勢と会員それぞれの得意を活かした広報など、周りの姿勢に心を入れ替えて取り組む。すると目標に遠く及ばなかった集客は倍増、イベントのコンサートは、内容も収支も素晴らしいものとなった。この体験が、久しぶりに帰ってきた、倫理の素晴らしさを再確認することになったという。

 最後に人間力大学、天明茂氏の書籍から、幸せとは?の方程式を紹介してくれた。
幸せ=   天職×人間力×運
天職の前の空白に家族という文字が入る。
幸せ=家族×天職×人間力×運

 仕事で一番苦しかった時、自分を保てたのは、自分そのものの価値を信じられたから。自分そのものの価値を担保するのは、やはり家族だということだ。一番近くで自分を見守ってくれるのは、間違いなく家族。しかし身近だからこそ、その有り難さは忘れがちである。

 阿部会長の学んで来られた、様々な学びの中で、身近な家族の大切さに気づくこと。倫理法人会の学びの中で、他の経営者の会と決定的に違うのが、家族に対する部分だと思う。

 そしてこの方程式の運について。この運でさえ栞を学ぶことで、味方につけることができる。参加されたゲストにまずは入会してみて、嫌になったらやめれば良いと語りかけ、講話は時間となりました。

 倫理法人会では様々な経験を、こうして講話という形で聴くことができる。それぞれのレベルで、みんな悩みを持っている。苦難を抱えている。それを打ち破るヒントと勇気。

 阿部会長の穏やかさは、様々な苦難を乗り越えた上でのものだろう。前日の食事会での話、今でも現役でサッカーをされている阿部会長は、つい最近退場処分を受けたという。後ろから反則で来た選手に熱くなった。昔のヤンチャな時代の写真を見て納得した。

 清濁を併せ呑む。倫理法人会に入っていなければ、富士研に参加しなければ、こんな出会いは一生なかっただろう。バブル崩壊、リーマンショック、そしてこのコロナ禍。困難は繰り返すが、明けない夜はない。

 私はサッカーはしないが、もし対戦される方は気をつけた方が良い。穏やかな笑顔の内側には、あの頃の闘志がまだ燃え盛っている。

専任幹事 内山 聡 記

平塚市倫理法人会 経営者モーニングセミナー

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